年度別受賞作品
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お客様との想い出

第13回 2009年度 受賞作品
受賞者インタビュー
作者名:小林祥子
所属企業:かぶ虎屋 心斎橋大丸店

記事(紹介文)


第13回(2009年) 最優秀賞 「お客様との想い出」
㈱虎屋 心斎橋売店 店長 小林祥子さん

 直属の上司から「吉報だよ」とまず連絡が入りました。原稿を書いてから時間が経っているので、聞いた瞬間はよく事態が理解できず、ただポカーンとしてしまいました。今でもただただ驚いているという感じです。

 応募は入社8年目の社員研修の一環でした。8年間の思い出はたくさんありますが、何を書こうかと考えた時、このエピソードがすぐに頭に浮かんできました。それほどこの出来事は私にとって忘れられない大切な思い出なんです。

 虎屋への就職は学校に来ている求人案内がきっかけでした。一緒に見ていた父が絶対に虎屋だと太鼓判を押したんです。出身の神戸はどちらかと言うと洋風のお菓子のほうが数多くあるせいか、正直和菓子は得意ではなかったんです。父の熱意に負けて(笑)、とりあえず虎屋の品を食べてみようといろいろ購入してみました。自分が販売する商品を好きでなければお客様に販売できませんよね。羊羹を食べてみたら、ビックリ。いままで自分が食べていた餡子とは味が違ったんです。一瞬にして志望会社が決まりました。

 意気揚々とスタートした販売の仕事ですが、初めは失敗ばかりでした。まずお客様のお話を伺うことの難しさを痛感しました。自分は聞いているつもりでもちゃんと理解できていない、失敗し叱られて、接客は楽しいというより難しい仕事としか思えなくなっていました。自分には向いていない、続けられないのではと深刻に悩んでいた時、このお客様に出会いました。
 閉店時間近くにその男性は見えたのですが、手土産にするお菓子の詰め合わせを時間を忘れて選びました。納得してお買い上げいただいたことも嬉しかったですが、後日彼女とわざわざ再来店され心から「ありがとう」とおしゃっていただけたことは、予想外で本当に嬉しく感激しました。あの出来事は、難しくてあまり楽しくないと感じていた販売の仕事を、楽しくやりがいのある仕事に変えてくれたのです。あの一言がなかったら販売員としての今の私はいなかったかもしれません。

 私より年上のお客様が多いこともありますが、お客様によって成長させていただいていると感じています。ご進物の用途には熨斗をおかけし、お名前を書き入れます。最近は風呂敷の販売もしており、お品物を風呂敷で包んで差し上げるケースが増えてきました。新人の時のようにお客様の前での名入れに緊張して手が震えることはなくなりましたが、「あなたに全て任せるわ」と言われると、やはり身が引き締まります。ご用途に応じたのしの使い方、風呂敷の包み方など学ぶことはまだまだたくさん。お客様がいらっしゃるからこそ私たちは成長できるのです。
 
 お店の後輩たちには、自分が辛かった時のことやお客様にありがとうと言われた時の感動など、私の体験談をできるだけ話すようにしています。お客様に満足していただくために私たちは何をすべきか、挨拶や会話などにもちょっとした工夫を加え、お客様に納得してお買物をしていただけるよう、今日も仲間とともに店頭に立っています。

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